マルタイ保線実施

こんにちは。
9月19日から20日にかけて、マルチプルタイタンパーバラストレギュレータを使った深夜保線作業が実施されました。その様子を一晩かけて追っかけたのでご報告まで。
まずは最近マイブームの動画まとめです。



上菅谷駅進出から常陸鴻巣駅まで。



常陸鴻巣駅北方での作業から常陸鴻巣駅横取り線(側線)進入まで。
今回は車両が自分で光ってくれるので、前回の夜間ホキ工のような音だけ動画にならなくて済みました。


あとは写真も少々。

▲一番右側(下2番線)でハイビームを飛ばしている車両がマルタイです。この後、太田からの回送960Dの到着を待って作業を開始します。
回送が到着すると作業員さんが水戸指令と打ち合わせをして保守用車の進路を構成します。指令からの操作で安全側線への分岐器が反位(本線側)にされ、その後に作業員さんが手動で下2番への分岐器を反位すると保守用車の進出開始。



▲マルタイに続いて本線に進出してきたバラストレギュレータ。保守用車らしく赤信号も気にせず進んでいく。


さて、追っかけると田んぼの中で2両が待機していました。どうやらここ(常陸鴻巣駅南方約800m地点)が本日の作業区間の始点のようです。

このあと実際に作業が始まったのは0時過ぎごろだったかな。深夜の水田地帯に保守用車のエンジン音と振動が響き渡ります。


待つこと2,30分…やっと撮影ポイントまで進んできました。

▲歩く速さよりもゆっくりと進む。



▲マルタイの作業ユニット。車両本体はゆっくりと進み続ける中、この作業ユニットだけが停止→作業→前進…を繰り返します。こうすることで重たい車両全体を何度も動かしたり停めたりしなくても済むわけですね。



▲続いて常陸鴻巣駅に移動してホームに進入するマルタイを撮影。
ちなみにマルタイは先程の撮影ポイントから駅進入までの400mを走行するのに約45分かかっています…途中、後続のバラストレギュレータを待ったり指令と打ち合わせをしたりで停車していたとはいえ時間かかりすぎだぜい…



バラストレギュレータはホームに進入する際に前方のブレードを展開して作業を開始しました。
昼間はハの字になってる"あの"ブレード、今まで使い道が全くわかりませんでしたが…こうやって使うんですね。



▲作業部をちょっと拡大。道床外側の枯れ枝なんかも巻き込んでワイルドにバラストを整えます。



▲で、先端のブレードで道床の形を整えたあとは車両中央部で何やら作業をし(詳しく確認できませんでした)、最後に回転するブラシで枕木上を掃除します。



▲マルタイに続いてっくりと常陸鴻巣駅を通過するバラストレギュレータ。


さて、保守用車が常陸鴻巣駅を通過しきったので、前のポイントで作業員さんが教えてくれた作業終了区間に私も移動します。

▲移動先は常陸鴻巣駅から600mほど北方の踏切(第三白河内踏切)です。まあ例によって保守用車はのっそりのっそり進んでくるので様子を見ながら路駐の車中で仮眠しつつ待機。結局このポイントに来たのは1時間後でした。



▲作業を終えたマルタイは相変わらずのスピードで踏切を渡ります。もちろん警報機は鳴らないし遮断かんも降りない。



バラストレギュレータも踏切を渡り待機中。作業を通してハイビームが消えたのはこの瞬間だけだと思う。
ちなみに保守用車はすっかり休憩モードですが、この南方ではいまだ作業員さんの手作業による最後の仕上げ「後作業」が実施されています。いくら機械化が進んでいるとはいえ、細かい部分はやはり人の手が必要なんですねー。本当にお疲れ様です。


さて、その後作業が終わると保守用車は常陸鴻巣駅の"横取り線"に入るとのことなので駅に戻って撮影待機。
三脚を展開すると…来ました来ました。って速い!
先ほどまでのゆっくりとした走行風景とは一転、10〜20km/h以上は出していたでしょうか(動画参照)。



▲保守用車が駅南方で待機する中、しばらくすると横取り装置用の特発が点滅し始めました。その後、作業員さんが横取り装置のロックを外し、装置を展開します。



▲水戸方から横取り線への進路が形成されました。個人的には本日のハイライトシーンです笑
クロッシング部の盛り上がりが特徴的。



▲錆レール独特のギシギシという音を響かせ、常陸鴻巣駅の横取り線に進入するマルタイ。



▲時刻は午前4時を回る直前。横取り線進入後はすぐに各種灯具が消灯されましたが、保守用車らしい黄色の警告灯は最後まで点滅し続けていたのが印象的でした。
この後はその警告灯や室内灯も消灯し、作業員さんもワンボックスカーで現場を後にします。


私もこの後はすぐに帰宅してゆっくり寝たい…ところでしたが、日の出前に家に帰るのもいい迷惑なので菅谷のジャスコ駐車場で車中泊。適当に時間を見て無事に帰りました。


先月のバラスト散布工に始まり、今月のチキ工、そして今回の深夜保線…いろんな保線現場を見学させて頂きましたが、どの現場でも沢山の作業員さんが汗を流していたのが非常に印象に残っています。
いくら機械化・合理化が進んだとしても、やはり人の手というものは欠かすことはできないんだと実感した次第であります。
ローカル線といえども、その運行には見えないところで多くの人が携わっているのです。そういった人々への感謝を胸に、これからは列車に乗って行きたいと思います。